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交通事故で椎間板ヘルニア。後遺障害等級認定は難しい?

交通事故で椎間板ヘルニア。後遺障害等級認定は難しい?
「交通事故後に、椎間板ヘルニアになってしまった…」

交通事故で多い怪我といえば「むち打ち症」ですが、この次に多い傾向にあるのが「椎間板ヘルニア」です。むち打ち症と同じような症状があり、被害者もむち打ち症だと勘違いするケースがあります。

場合によっては手術も必要になるこの症状ですが、交通事故によって椎間板ヘルニアになり完治しなかった場合には、後遺障害として認められるのでしょうか? 

実は、交通事故による椎間板ヘルニアは、後遺障害認定獲得が難しい症状の1つといわれています。等級を獲得できても、希望する等級よりは下がってしまい、慰謝料や逸失利益で損をしてしまうこともあるのです。

今回は、交通事故で椎間板ヘルニアになってしまった場合の後遺障害等級認定について解説します。

基本的な内容から、後遺障害認定がどのようにして行われるのかまで見ていきます。

1.交通事故と椎間板ヘルニアの関係|症状と治療方法

まずは、交通事故と椎間板ヘルニアの関係や、症状と治療方法を見ていきましょう。

(1) 椎間板ヘルニアとは

椎間板ヘルニアについて、皆さん一度は耳にしたことがある単語ではないでしょうか?交通事故だけでなく、加齢や日常の事故によっても生じる症状のため、整形外科ではメジャーな症状として捉えられています。

もっとも、実際にどのような症状なのか詳しくご存知の方は少ないかもしれません。

椎間板ヘルニアとは、骨の間にある髄核が外に飛び出した状態を指します。

腰の骨や首の骨は、骨同士が直接くっついて成り立っているわけではありません。骨同士の摩擦を減らすため、骨と骨の間に椎間板というクッションが存在します。これがあることで、骨にかかる負担を軽減しているのです。

ですが、加齢や何らかの衝撃により、椎間板の中にある髄核が外に飛び出してしまうことがあります。

この状態を椎間板ヘルニアと呼んでいます。

交通事故に多い追突事故では、衝突の衝撃により大きな力が首や腰などの関節にかかります。そのため、事故の衝撃により椎間板に亀裂が入り、髄核が飛び出してしまうことがあるのです。

「交通事故被害に遭っていれば原因は明らか」と思いがちですが、加齢も原因の1つと考えられてしまうこともあるため、争いになりやすい症状です。

ちなみに、椎間板ヘルニアというと腰の症状をイメージされる方が多いですが、首を表すこともあります。首の症状がある場合は、頚椎椎間板ヘルニアです。

(2) 椎間板ヘルニアの症状と治療方

①椎間板ヘルニアの症状

では、椎間板ヘルニアにかかるとどのような症状が起きるのでしょうか。

椎間板が飛び出してしまうと、飛び出した部分が神経を圧迫します。これにより、首や腰の痛みなどが生じてしまうのです。

痛みという典型的な症状以外にも、しびれ、感覚麻痺、思うように手足が動かせない、などの症状もあります。

痛みから憂鬱な気分になることもあり、うつ病にかかってしまう方もいます。痛みも軽いものから、ひどい頭痛のような重い痛みまでさまざまです。事故の衝撃の度合いによっても、変わってくるでしょう。

椎間板ヘルニア自体は、男性に罹患者が多く、20-40代の働き世代に発症する方が多いようです。これは交通事故以外の原因も含まれます。

②椎間板ヘルニアの治療方

次に気になるのは、治療方法です。

椎間板ヘルニアの治療では、まずはMRIの検査が行われるのが一般的です。皆さんご存知かと思いますが、丸い筒状の精密機械に入って、身体の中の状態を検査するものです。筋肉や神経など細かい組織の状態も把握することができます。

MRI以外にも、CTスキャンが利用されることもあります。

検査で患部の状態をチェックしたあとは、治療に移ります。

治療方法としては大きく分けて2種類が存在します。1つは、保存療法と呼ばれるもの、もう1つは手術療法です。

保存療法では、湿布などで痛みを軽減する治療のほか、温熱療法、牽引療法などが行われています。

基本的には、保存療法で3ヶ月経過しても良くならない場合には、次の方法である手術療法を行います。

手術では、神経を圧迫する髄核を取り除くことになります。

現在は、内視鏡を使って負担の少ない手術を利用される例が増えているようです。

このように、椎間板ヘルニアの症状は、さまざまな方法を用いて治療が行われます。

2.椎間板ヘルニアの後遺障害認定

次に、後遺障害認定の基本についてご説明します。なぜ椎間板ヘルニアの症状は後遺障害認定等級で争いが生じやすいのかについても見ていきましょう。

(1) 後遺障害等級認定と慰謝料・逸失利益請求

交通事故後になかなか症状が改善しない場合、医師から「症状固定」と告げられるかもしれません。

これは、医学的にみて治療を続けても完治することは難しいという判断です。

症状固定後は、リハビリにより症状を和らげたりする方法を取り入れていくことになります。

そして、交通事故に関していうと、症状固定とされた時点で任意保険会社からの治療費の支払いは終了となります。

このあとにかかる費用に関しては、後遺障害慰謝料と逸失利益を請求することが必要になります。

そして、これらの請求をするために必要不可欠なのが、後遺障害等級認定です。

後遺障害等級認定とは、後遺障害が残ってしまった人のために設けた自賠責保険の制度であり、認定を受ければ1級から14級の等級に応じて慰謝料が支払われます。

認定で等級が付与されれば、労働能力喪失率も認定されるため、これまで通り働けなくなったことに対する逸失利益も請求することができます。

後遺障害認定等級では、等級別に慰謝料の額があらかじめ定まっています。そのため、どの等級を獲得できるのかというのが後遺障害慰謝料額に直結してくるのです。

(2) ヘルニアの後遺障害認定の難しさ

実は、椎間板ヘルニアの後遺障害認定は、認定が難しいと言われています。

椎間板ヘルニアは、MRIの画像で痛みの原因などを視覚的に確認することができる症状の1つです。客観的に確認することができるというのは、認定では大きく有利に働く事情となります。

しかし、しっかりとMRIで原因が確認できるのにもかかわらず、後遺障害認定の等級が下がった、獲得できなかったという事例も存在します。

その理由は、事故との因果関係を否定されてしまうからです。

先に説明した通り、椎間板ヘルニアは交通事故特有の症状ではありません。加齢や他の原因によっても生じてしまう症状なのです。

そのため、必ずしも事故による衝撃で生じたものであると証明できないとして、等級獲得ができない事態が発生してしまいます。

また、実際に因果関係を認めても、加齢による椎間板ヘルニアも考えられるため、考慮すべきであるとする反論が行われることもあります。

この場合、素因減額というものが行われ、慰謝料額の減額が加害者側(任意保険会社)から主張されることになります。

このように、椎間板ヘルニアの後遺障害認定は、因果関係において反論を受けることがしばしばあります。そのため、しっかりと準備して認定申請を行う必要があるのです。

3.12等級と14等級の認定基準と慰謝料額

次に、椎間板ヘルニアで認められる12等級14等級の等級認定の内容を、認定基準と慰謝料額を中心に説明します。

(1) 12等級の認定の基準と慰謝料額

椎間板ヘルニアで12等級の等級を獲得するためには何が必要なのでしょうか。

12等級の認定基準は比較的わかりやすいものです。

認定される症状としては椎間板ヘルニアだけでなくむち打ち症などもありますが、どちらかというと椎間板ヘルニアの方が認められやすい症状といえます。

というのも、椎間板ヘルニアはMRIの画像で、異常のある部分が確認できるからです。12級の等級獲得では、客観的に異常が確認できるかどうかというのが非常に重要となっています。

もっとも、MRIの画像で異常が確認できたからとって必ず等級が獲得できるわけではありません。痛みやしびれのある部位と画像で確認できた部位が一致している必要があります。

また、加齢による経年性の椎間板ヘルニアがある場合も因果関係が否定される事情として働きます。

外傷性であるとする根拠をしっかりと集めるのが重要です。

12等級の等級獲得が叶った場合、後遺障害慰謝料は自賠責基準で93万円となります(これに逸失利益もプラスされます)。

弁護士に依頼した場合は、裁判基準で後遺障害慰謝料を計算できるため、慰謝料額は290万円となります。

基準によって大きく慰謝料の額が変わるのがわかります。

(2) 14等級の認定の基準と慰謝料額

12等級で認定されるものは、MRIなどの画像ではっきりと原因がわかるものであると説明しました。

では、異常が確認できない場合はどうなるのか。

結論としては、等級が下がるか等級獲得ができないケースとなります。

診断画像から症状の原因が確認できない場合は、14級が認定される可能性が高いといえるでしょう。

被害者の自覚症状だけでは、12級の等級認定は厳しくなります。

症状に一貫性がない場合なども12級が否定され14級となってしまう根拠になってしまうでしょう。
もっとも、画像確認で医師の意見の相違が出る場合もあります。そのため、別の医師に診てもらった結果、椎間板ヘルニアの異常所見が確認できるとするケースもあるのです。

認定は、完全なる書類審査です。そのため、希望等級獲得のためには医師の診断書が非常に重要となります。

医師の診断に納得できない場合は、後遺障害認定等級手続きの経験がある弁護士に相談してください。被害者に協力的な医師を紹介してもらえることがあります。

14等級の慰謝料額は、自賠責基準で32万円、裁判基準(弁護士基準)で110万円となります。

自賠責基準では12等級と61万円の差があり、裁判基準では180万円もの差が生まれます。

このように、等級獲得は難しいケースもあるため、12級の等級を獲得したい場合は一度専門家である弁護士に相談してみてください。

4.確実に後遺障害認定を受けるために|弁護士へご相談を 

椎間板ヘルニアは慢性的な痛みやしびれが続き、辛い症状に悩んでいる方も多いでしょう。

症状固定と診断された後も、しっかりと後遺障害慰謝料を請求し補償を受けるべきです。

そのために、後遺障害認定は非常に重要です。等級が下がるだけで、数十万の違いが出るからです。

もっとも、椎間板ヘルニアの後遺障害等級認定は希望通りの認定とならないことも多々あります。確実に希望等級を獲得したい場合には、専門家である弁護士の協力のもと申請手続きを進めていくことがおすすめです。

現在、後遺障害等級認定を検討されている方、認定結果に納得できない方は、泉総合法律事務所の弁護士にお任せください。

後遺障害認定等級獲得の実績がある弁護士が事故解決まで全力でサポートいたします。

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